学校運営方針

経営方針

❶ 学校経営の基底

(1)北海道教育推進計画(令和5年~9年度)

【北海道が目指す教育の基本理念】
く自立>
自然豊かな北の大地で、世界を見つめ、自律の精神にあふれ、自らの夢に挑戦し、実現していく人を育む。
く共生>
ふるさとへの誇りと愛着をもち、これからの社会に貢献し、共に支え合う人を育む。
【施策の柱】
  1. 子どもたち一人一人の可能性を引き出す教育の推進
    項目①~⑫
  2. 学びの機会を保証し質を高める環境の確立
    項目⑬~⑱
  3. 地域と歩む持続可能な教育の実現
    項目⑲~㉒

(2) 日高管内教育推進の重点(令和7年度)

テーマ
未来の社会を生きる日高の子ども一人一人の可能性を引き出す3つの柱
重点1
子ども一人一人が資質・能力を確実に身に付ける 教育の推進(学力向上)
  • 指導と評価の一体化による授業改善
  • エビデンスに基づく検証改善サイクルの継続
  • 幼小中の円滑な接続による一貫した指導の推進
  • 自立・自律的な生活習慣、学習習慣の確立
重点2
子どもが安心して学べる支援の充実(生徒指導、特別支援教育)
  • いじめ見逃しゼロ及び早期対応の充実
  • 不登校児童生徒支援及び特別支援教育の充実
重点3
子どもの学びを保障し、質を高める環境の確立(ICTの利活用、働き方改革)
  • 授業改善とICT活用を一体的に進める学びのDXの推進
  • 学校職員のワークライフバランスを実現する校務DXの推進

(3) 浦河町の教育大綱(令和4〜8年度)

基本理念
郷土愛に満ち未来を拓く人を育てるまちづくり
基本方針
  1. 「ふるさと」をつくる人材の育成
  2. 地域から信頼される学校づくり
  3. 生涯にわたる学べる環境づくり
  4. 豊かな心を育む芸術文化の振興
  5. 健やかな身体をつくるスポーツの振興

❷ 学校経営の基本的な考え

教育は人間尊重の精神に基づいて、子どもたちの全人的な調和のとれた人格の完成を目指して、あらゆる時と場面で行われるものである。子どもたちの生活空間である「学校」「家庭」「地域」など全ての場で課題が共有され、健全な子どもたちの育成を目指した教育が行われることが重要となる。そのためには、現状を過去から未来への時間軸と地域から世界への空間軸を俯轍する中で的確にとらえ、子どもたちに人との豊かな関わりの中で自ら生き方を創造する力を身に付けさせる使命を、公教育に携わる私たち教職員は担っている。最も子どもたちの教育活動を意図的・計画的・継続的になり得るのが学校であることを踏まえると、我々教職員集団は目の前の子どもたちの姿を的確にとらえ、子どもたちの人格の完成に向けて研修と修養を積み重ねつつ、一貫した組織的な取組を通じた特色ある教育活動の確実な立案・推進を常に求められていることを真摯に受け止めなければならない。

教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。(教育基本法第1条:教育の目的)

現代は、グローバル化が社会に多様性をもたらし、急速な情報化や技術革新が人間生活を質的にも変化させつつある。このような予測困難な時代に対応するには、社会の変化に受け身ではなく、主体的に向き合い、一人一人が可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくことが重要である。

そして、これからの子どもたちには、社会の加速度的な変化の中でも、高い志と意欲をもって、得た知識を基に、膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し、解決を目指して他者と協働しながら新たな価値を生み出していくことが求められる。

学校においては、新しい時代を生き抜くために必要な資質・能力の確実な育成に向けて、子どもの「主体的な学びを支える」教育を確立させ、令和の日本型学校教育の構築を目指し、ICT機器を有効活用しながら「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を目指すことが肝要である。

また、学校教育を支える教職員は、協働体制を整えた持続可能な組織でなければならない。一人一人の教職員が専門性の向上を目指して研鑽に励むとともに、ゆとりをもって子どもと向き合い、子どもたち同士・教職員同士が、心理的安全性を確保した関係を構築して学びあうことが、子どもたちの「未来に活きる力」を育み、成長や幸福につながっていくと考える。

そして、本校は、子どもたちが学校に登校することを「楽しい」と感じ、教職員も「働きがい」を感じる場所でありたい。子どもたちが「浦小」児童であることに自覚と誇りをもって学び、教職員は「浦小」職員としての責任と自負をもって協働することで、よりよい学校を創り上げていきたいと考える。

<本校の課題と具体的取組>

観点 本校の課題 具体的取組
学びを支える 学びに向かう力を高め、知識・技能の習得、思考・判断・表現を工夫する姿勢
  • 主体的な学びにつながる授業改善
  • 教員間の積極的な授業交流
基礎学力定着と実生活に結びつけた知識・技能の活用
  • 思考・判断・表現する場の設定
  • 外部人材の積極的活用
ICTの効果的活用
  • タブレット使用の常態化
  • MEXCBTの積極的活用
主体的な家庭学習習慣の定着
  • 授業と関連付けた家庭学習
  • 発達段階に応じた質の向上
仲間づくり
環境づくり
受容・共感的な人間関係の形成
  • 何でも言い合える集団づくり
  • 思いやりの心を育てる指導(いじめ等)
主体的に考え、自立(自律)する力の育成
  • 考え、判断し、行動する場面の設定
  • 問いかけの指導の推進
特別支援教育(通級指導)への理解と実践
  • 特支教育(通級)に関する研修の推進
  • 合理的配慮についての共通理解
職場づくり 心理的安全性の更なる向上と、協働的な職場環境の維持
  • 積極的な情報発信と共有、共通理解
  • 一人で抱えこまない同僚性の発揮
「働きがい」と「働きやすさ」の両立
  • 時間意識の共通理解
  • 校務DXの推進

❸ 学校教育目標と目指す児童像

自ら学び 心豊かに 自分の夢や希望の実現に励む子の育成

かしこい子(知)

すすんで学び、考えて行動する児童

心ゆたかな子(徳)

相互のよさを認め、他者と協働する児童

たくましい子(体)

心身を鍛え、最後まで挑戦し続ける児童

❹ 育成を目指す資質・能力

3つの柱 学びに向かう力・人間性 知識及び技能 思考力・判断力・表現力
育成を目指す資質・能力
  • 認めあい、共感する力
  • 粘り強く取り組む力
  • 基礎的・基本的な学習の力
  • 情報端末を活用する力
  • 得た知識を基に考える力
  • 考えを伝えあう力

❺ 令和7年度の重点

「しあわせ」あふれる学校を目指して
~ 自分で考え 判断 行動し、伝えあい 学びあう仲間づくり ~

❻ 経営の重点

経営の重点 目標指標

(1)「学ぶ楽しさ」や「わかる喜び」を実感できる組織的な授業改善

  • 学ぶ姿勢を育てる学習規律の定着に向けた組織的取組
  • 自身の学びの変容や学びの積み重ねを実感できる対話活動の確立
  • 確実に身に付けるべき学力の共有と改善取組の推進
  • 豊かな学びを実現するJ CT の効果的な活用
  • 「学習が楽しいと感じる」「学習内容がわかる」「粘り強く学習した」と回答する児童の割合が80%以上

(2)互いの存在や個や集団のよさを実感する組織的な生徒指導

  • 児童の主体的な判断や実践力を育む、未然防止の観点に立つ事前指導
  • 自己肯定感や自己有用感を実感できる教職員や他児童からのプラス評価
  • 日常的な児童間の人間関係、教職員一児童間の信頼関係の構築
  • 「自分にはよいところがある」「自分は学級に受け入れられている」と回答する児童の割合がともに70%以上

(3)教職員で知恵を出し合い、協働しながら業務をすすめる職員集団の確立

  • よりよい教育活動の実現に向け、全教職員が主体的に参画できる学校経営・運営の確立
  • 主体的・対話的で深い学びの具現化に向けた研修の推進
  • 「児童に向き合う時間」を軸とした業務体系への見直し
  • 「働きがい」と「働きやすさ」が両立できたと回答する職員の割合が80%以上
  • 月45時間以上の時間外勤務者0人

(4)家庭・地域との連携・協慟の充実

  • 育成すべき資質や能力の共有を踏まえた家庭生活習慣の向上
  • 児童の変容が伝わり、保護者が安心し、学校への信頼につながる教育活動の推進と積極的な情報発信
  • 家庭やPTA 組織、CS 浦河第一中学校区と連携した取組の推進
  • 家庭における生活習慣が向上したととらえる保護者の割合が80%以上
  • 家庭・地域の連携が深まった70%以上

❼ 重点目標の到達に向けた方策

(1)主体的な学びを支える学習指導

観点 取組内容 担当
「浦河町授業スタンダード」の推進・定着(ファシリテーション) 課題とまとめ、目標と振り返り、思考の時間を確保、アウトプットの場を設定など 教務部

研修部

教師がファシリテーターに徹する
⇒ 子どもが主役になる授業改善

自身の学びの変容や学びの積み重ねを実感できる対話活動の確立

思考場面に対応するための基礎知識の習得
反復、主体的な家庭学習 など

実生活に関連づけた課題や家庭学習の設定、身につけた知識・技能を発揮する場の設定

確実に身に付けるべき学力の共有と改善取組の推進 受容・共感的な人間関係の構築、伝えあう場の設定(グループ活動の工夫など
発達段階応じたプレゼンテーション能力の育成(ツールの活用、表現力・傾聴力を高める)
豊かな学びを実現するICT の効果的な 活用 ICTの効果的活用(一人一台端末、デジタル教科書、AV機器など
全職員のlCT活用能力を高める実技研修

(2)安心できる仲間づくり

観点 取組内容 担当

浦河小学校「大切にしたいこと」の定着

「決まり」と「呼びかけ」の明確化、児童・保護者への理解、浸透

指導部
管理職

全職員の共通理解、共通実践

指導部全職員

充実した学級経営を基盤とした、何でも言い合える集団づくり

他者を認め、良さを感じる(受容・共感)、心に響く生徒指導、信頼関係の構築 など

指導部

低・中・高学年ブロック間の連携や連帯強化、学年をこえた支えあい学びあう姿勢

担任間

考え議論する道徳の実践

 重点内容項目:「思いやり」「生命尊重」

推進教師
各担任

自分で考え、判断し、行動する場面設定による自立(自律)を促す支援 指示待ちからの脱却、自分のことは自分でおこなう意識の醸成 ⇒「自立」践 全学級
自己決定と実践する場の設定、教職員や児童間による肯定的評価 ⇒「自律」
特別支援教育・通級指導教室についての共通理解と実践

特別支援教育、通級指導教室への理解と実践
研修の場の設定

研修部
支援部

特別な支援を要する児童の積極的支援、合理的配慮の理解と推進など 支援部

(3) 同僚性・協働性が豊かな職場環境づくり

観点 取組内容 担当

心理的安全性を高め、
教職員が主体的にスキルを発揮できる

環境づくり
経営方針(経営ビジョン)の共通理解、意見交流の場の設定、対話の促進 など 管理職
積極的なコミュニケーション、努力や違いを認めスキルを発揮できる環境づくり 全職員

積極的な情報発信と教職員同士の

共通理解による持続可能な取組
内外への積極的な情報発信による共通理解と 信頼関係の構築

管理職研修部

教職員間の積極的な授業交流、指導助言への主体的な姿勢、スモールステップ など

一人で抱えこまない同僚性の発揮、連携・協働による業務推進

ソーシャルサポート(助けあい)による機能的な職員集団づくり

管理職
全職員
分掌内

困り感に寄り添う職員集団、目先より遠い先を見据えた連携・協働体制づくり
校務DXの推進等による職場環境改善 公私の充実と両立、仲間を大切にする働き方(タイムマネジメント)  ⇒「働きがい」へ
円滑な校務推進につながるデジタル化の推進
⇒「働きやすさ」へ

(4)幼保小中・家庭・地域との連携・協働

観点 取組内容 担当

幼児教育からの円滑な接続、浦河第一中学校区三校の連携強化

浦一中、堺町小との連携、幼稚園・保育所との連携を強化、目指す子ども像や方向性を確認

管理職
教務部

スタートプログラムの見直し、相互交流や引き継ぎによる円滑な接続

教務部
支援部

家庭学習を含めた家庭生活習慣の向上
地域・家庭との共通理解・実践

主体的な家庭学習を推進するための家庭との連携、生活習慣の改善 など 全学級

アウトメディア、20-20-20ルールの啓発とタブレット活用の理解促進

管理職
養護教諭

地域人材、施設、素材の積極的活用、地域文化・伝統の学びの深化

体験的、探求的学習における地域人材、施設、素材の活用
各担任
「浦河町」の歴史や文化を学び、郷土を大切に思う心の涵養 各担任

児童、保護者、地域との信頼関係と連携・協働体制の構築

各種通信、BLEND等による積極的な情報発信、相互理解の促進   ⇒「信頼関係」の構築 各担任
管理職
CS担当

各種訪問、参観等に対する積極的な対応
⇒「開かれた学校」へ

CSと連携した教育活動の推進
⇒「協働体制」の構築

❽ グラウンドデザイン

令和6年度浦河町立浦河小学校グランドデザイン

学校教育目標
  • 【知】かしこい子
  • 【徳】心ゆたかな子
  • 【体】たくましい子
目指す児童像
  • すすんで学び、考えて行動する児童
  • 相互のよさを認め、他者と協働する児童
  • 心身を鍛え、最後まで挑戦し続ける児童

育成を目指す資質能力

【学習面】
基礎基本を獲得する
【生活面】
集団や社会で生きていく知識や技能を獲得する
【学習面】
対話活動を通じて互いの理解を深める
【生活面】
よりよい活動の創造に向けて他者と協働する
【学習面】
主体的に取り組み、最後まで粘り強く取り組む
【生活面】
目標達成に向けて工夫を積み重ね、粘り強く取り組む
「学ぶ楽しさ」や「わかる喜び」を実感できる組織的な授業改善
  • 学ぶ姿勢を育てる学習規律の定着に向けた組織的取組
  • 自身の学びの変容や学びの積み重ねを実感できる対話活動の確立
  • 確実に身に付けるべき学力の共有と改善取り組みの推進
  • 豊かな学びを実現するICTの効果的な活用
互いの存在や個や集団のよさを実感する組織的な生徒指導
  • 児童の主体的な判断や実践力を育む、未然防止の観点に立つ事前指導
  • 自己肯定感や自己有用感を実感できる教職員や他児童からのプラス評価
  • 日常的な児童間の人間関係、教職員ー児童間の信頼関係の構築
教職員で知恵を出し合い、協働しながら業務をすすめる職員集団の確立
  • よりよい教育活動の実現に向け、全教職員が主体的に参加できる学校経営・運営の確立
  • 主体的・対話的で深い学びの具現化に向けた研修の推進
  • 「児童に向き合う時間」を軸とした業務体系への見直し
家庭・地域との連携・協働の充実
  • 育成すべき資質や能力の共有を踏まえた家庭生活習慣の向上
  • 児童の変容が伝わり、保護者が安定し、学校への信頼につながる教育活動の推進と積極的な情報発信
  • 家庭やPTA組織、CS浦河第一中学校区と連携した取り組みの推進

これらを一体的に進めることで、Well-being(しあわせ)につなげていく!!